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2018年1月

特注ブレーキローター 製作!-1

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▲特注ブレーキローター

特注ブレーキローター 製作は、今使っている物を新しくしたい、軽量のものにしたい、しっかりとしたものにしたい等、色々なご希望を形に変える事ができる仕事です。メーカーが不明、メーカーが無くなっている、何かの流用品、サイズが違っている等様々です

特注ブレーキローターの製作で、お客さんからブレーキローターの現品を預かる場合です。

宅配便で、ブレーキローターとブレーキパッドを送っていただきます。

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開封して各部を撮影、計測します。重量も計測します。

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専用の用紙に、必要最低限の計測事項を記入します。

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画像と記入した数値、現品の再計測等を行いながら、ブレーキローターの現品の図面を書きます。 各部の干渉を考慮して、自社部品の数値を当て込んでいき、なるべく製作物が少ない様、ディスクローター(パッドと当たる部分)は次回購入される際に、Biotの通常製品(在庫部品)をご使用いただける様、何度か熟考します。

ベルハウジングの外径、取付部の形状が決まったら、最小限の製作部品を設計します。 初めに書いたブレーキローターの現品の図面と、最小限の製作部品を設計した物に通常製品(在庫部品)等を組み合わせた図面を製作し、CAD上で製品を確認します。

計測作業とリバースエンジニアリング作業で、試作部品は不要です。

そこから先は、製作部品の内容と量で製作時間は異なりますが、1~3週間程度でできあがります。

お客さんから預かったブレーキローターの現品は、当日~翌日くらいのスケジュールで、一度返却します。

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後は、製作部品が届くのをお待ちいただくだけです。

 

続きは、特注ブレーキローター製作-2をご覧ください。

Porsche ポルシェ 930 ピロアッパーマウント!

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▲Porsche ポルシェ 930 ピロアッパーマウント

純正は、スチールのハウジングとラバーブッシュでできています。キャンバー調整はできません。 形状が特殊で、ボディー側の湾曲した面にあった形状でできています。厳密には、取付して締め上げると、ボディーにフィットする感じです。

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Biotでは、他車のストラットタイプのサスペンションと同様に、キャンバー調整式のピロアッパーマウントを設定しました。 ゼロから、ニーズに合わせて設計し、製品化しました。 製作は大変ですが、世の中には無いパーツとして、Biotのこれまでの軌跡になるものだと思います。

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詳しくは、Porsche ポルシェ 930 ピロアッパーマウントご覧ください。

930ターボ用 サスペンションキット!-1

この930ターボ用 サスペンションキットは、純正トーションバーを残し、ショックアブソーバーのみを交換します。

基本は、フロントは純正アッパーマウントを再使用して装着しますが、オプションで調整式ピロアッパーマウントの設定があります。

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リアは、純正ラバーマウントを再使用できるよう、特殊なシャフトカラー(受け皿のような形状)を付属させています。この部分は、ウレタン等で製作すると、シャフト上部に負担がかかり、純正ラバーより硬度の高い素材を使うと、常時ねじ部の締めましが必要となります。

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直巻きスプリングを使用してトーションバーを外すタイプの930ターボ用 サスペンションキットも販売しています。

BMW F10/F11 フロント 2ピース ブレーキローター!

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▲BMW F10/F11 フロント 2ピース ブレーキローター

純正交換タイプの、F10/F11 フロント 2ピース ブレーキローターの装着です。

 

348φで、535i用になります。純正比0.3kgの軽量です。

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輸入車は、純正でダストが多く、かといって安易に低ダストパッドに交換すると、効きが悪くなり鳴きが発生する様になります。

ローターの材質を変更して設定しているBiot 2ピースブレーキローターは、goutローターという商品名で販売しています。

純正交換と言って、同サイズで何が変わる?と思われるでしょうが、摩擦係数が高く、初期制動から高負荷での使用にも十分対応しています。摩擦係数が高くできると言う事は、パッドの選択肢を広げ、鳴きは発生しません。低ダストパッドでも、ブレーキを踏んだ時の感覚は驚くほど良くなります。

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製品を創る意味は、必ず違いを感じてもらえる事にあります。性能が同じであれば、価格が安い位しかメリットがありません。

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詳しくはBMW F10/F11 フロント 2ピース ブレーキローターをご覧ください。

汎用部品の選定!-1 ボルトナット

細かなパーツですが、ボルトナットについてです。

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部品を製作する際、ボルトナットを使ったり、製作部品にねじ切り加工を行ったりしています。 自分でボルトナットを脱着した事がある方はわかる事だと思いますが、ネジ山には種類があり、国内で流通している一般的なネジはメートルネジと呼ばれている物で、その中にネジ山を指すピッチがあります。 ブレーキでは、M10、M12、M14などが使われていますが、その中にPT(ピッチ/ネジ山)1.25、1.5、1.75があります。

熱処理された特注ボルト(SCM)は、通常の表面処理を行うと、硬度等に影響が出てしまうため、コストを掛けて特殊な処理を行っています。 うちでは汎用ネジを、計測は都度行いますが目視でわかる様、表面処理方法で(1.25/黒、1.5/銀、1.75/金)仕分けしています。

ワッシャー、ロックナットも、通常に売られている物ではなく、素材硬度の高い物を使用しいています。並べてみてもわかりませんが、高トルクで何回か脱着を行うと、一般的なボルトナットは破損します。

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エンジン内部のボルトナットに、一般的に売られているボルトナットを購入して使用する事は無いと思います。 ブレーキやサスペンションも同じです。

また、同じ強度でも、ピッチに種類がありますが、相手部品が決まっている場合を除けば、必ず数値の少ない物(細目と呼ばれています)を使用します。ピッチ/ネジ山が小さいと言う事は、同じネジ込み代でより多いネジ山があると言う事になります。またネジ山が細かく小さくなっていくため、断面積も大きくなり、破談強度は向上します。

ホームセンター等で探しても、この細目のボルトナットはほとんどありません。

更にロックナットとなると、一度に大量に特注製作している物までがあるのです。

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見分けるのは専門的でないとできません。ずっと安心して使ってもらえるよう、性能と共にずっと維持している事です。

Ferrari F360 Modena サスペンションキット!-2

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特殊な形状のアッパーマウント部、ストロークを確保したまま、減衰力調整機能を持たせる事を考えました。 レースカー等と同じ様なロアボトムと同じ様な形状で製作すると、サスペンションストロークが少なくなり、スプリングを堅くしてストロークを減らす様な方向になってしまいます。

サーキットユースのみでしたら、限られた範囲での使用で良い場合もありますが、適度なスプリングレートで使用するには、ショックアブソーバーのストロークを確保してスプリングレートの選択肢を広げる事が重要です。

削り出しで製作しアッパーマウントにピロボールを組込み、ショック上部の調整部が存在する形状です。

 

ゼロから考え出した形状ですので、他には無い物だと思います。発想を形にする作業、いつも取り組んでいます。

 

ピロブッシュ/ピロボールジョイント!-2

サスペンションピロブッシュ/ピロボールジョイントの発送までの管理についてです。

ピロブッシュは、1ヶ所のブッシュで、アウターカラー、サイドカラー×2、ピロボールジョイント、スナップリングで構成されています。

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▲ピロブッシュ

 

ブッシュピロボールは、12T~25Tまでがピロブッシュ用として使用されていますので、車種やアームの形状などで使い分けられています。

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ピロカラーにプレス機を使用してピロボールを圧入します。ピロボールとピロカラーの圧入部にモリブデングリスを塗布し、カジリを抑えて作業します。2018125115839.jpg201812481326.jpg

組付けが終わったら、ブレーキキットと同様の組立図を参考に、各部の寸法を計測します。ピロカラーは、純正のアームに圧入しますので、圧入公差をとって設計されているため、ピロボールを圧入後のピロカラーの公差が範囲内にある事を確認します。

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サイドカラーも左右に差込み、計測します。その他、穴径、カラーの長さ等を計測し、1set、左右2個で一つの箱に梱包します。ピロブッシュは、車輌への組込作業時にバラバラの状態だと、確認作業に時間が取られてしまうため、1set、左右2個で一つの箱を用意しています。

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新しい物を創る時...

少しだけですが、新しい物を創るときの事。 用意している車、日頃のお客さんの声、何となく以前から考えている様な事... イメージがわくまで、メモ用紙に言葉や絵を沢山書いています。必ず新しく書く物を次の用紙に書いて、上にのせてホッチキスでとめています。 このメモが数枚たまった頃には、何か考えや形、作り方など何となくまとまっていて、図面を書き始めます。 数値を抑えることが、設計でもあると思っていますので、それからは必要な資料から数値を引き出し、無い場合は部品を計測して、図面を埋めていきます。 何度も、問題にぶつかりますが、初めに作ったメモをみて、どう考えて来たのかを振り返ってみると、問題も少しづつ解決して、図面が出来上がり、製品化を行うことができます。 想像だった物を、考えて形にして行くのは、初めは凄く大変なことでしたが、今はメモをたくさん書く事で、何となくですが色々なアイディアや形状、作り方までできることが増えてきました。

30アルファード/ヴェルファイア リアbrembo/ブレンボ!-2

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▲30アルファード/ヴェルファイア リアbrembo/ブレンボ

30アルファード/ヴェルファイア リアbrembo/ブレンボキャリパーキットの製作についてです。 純正キャリパーのデーター等をとったら、パーキングブレーキの位置の検証を行います。 ローター径は何φが最小値となるか、各部の干渉をみながら、位置の候補を何か所か確認します。 ナックルを取り外し、三次元測定機で各部の細かな位置を計測し、パーキングブレーキ用のステーを設計します。

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パーキングブレーキの作動を確実に行えるよう、新規にマウントシャフトを製作して固定しています。 この作業と同時に、ローターサイズの深さになる数値も決定します。 その後に設計するベルハウジング、キャリパーサポート等の寸法が決まります。

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Ferrari F360 Modena サスペンションキット!-1

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▲Ferrari F360 Modena サスペンションキット

Ferrari F360 Modena サスペンションキットの製作についてです。

サスペンションのアッパーマウント部の取り付けが、他とは異なっているFerrari F360 Modena。

設定に当たり、純正データーを細かく取ります。 各部の寸法、単体寸法なども大事ですが、重量、一輪荷重、ストローク時のアライメント変化、アームの動きなども検証します。必要な部分はすべて図面化します。

いつも書いていますリバースエンジニアリングです。

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