商品開発に関する記事一覧
ディスクローターの組み立て!-1
ブレーキディスクローターの」組み立てについて、今回は、ブロックナットタイプの2ピースローターです。
2ピースですので、ローター部とハウジング部に分かれていて、2ピースとなります。
ブロックナットというのは、この二つを固定するボルトナットのナット部の形状でブロックナットタイプと呼ばれています。
Biotの製品名は『gout/グー』ローターです。
ブロックナットの利点について少しだけ・・・。
ローターとベルハウジングを固定する際、ブロックナットだけで接合しているため、空間ができ、他の形状のローター(純正の1ピースなども含む)よりも冷却効率が大きくなります。
詳しくは、また次回もご紹介します。上段がブロックナットタイプです。
ディスクローターを2ピースにすると、ローター、ベルハウジング、ブロックナットと組み合わせて一つのディスクローターが出来上がります。
それぞれの部品は、加工精度が2/100以下の平面度を目標に製作しています。ですが組み合わせるとそれぞれの精度を合算した数値になる場合もあり、完成品としてはかなり悪い数値になる場合があります。
Biot では、ローター部の研磨加工の制度を1/100、ブロックナットを組付け前に再計測して仕分けして、2ピースローターを組み立てしています。
1/100以下の組み合わせを各ローター毎に揃えています。 もちろん、組み立て後のローターは、三次元測定機で計測プログラムうを作り、全品計測しています。
三次元測定機、導入時に色々考えましたが、いいものをお届けするためには絶対必要なものです。自分達の作業の証明でもあり、改善点、安定性等、大いに役立っています。
ブレーキオフセットキット! アテンザ GJ フロント
純正ブレーキローターを大径化するブレーキオフセットキット、アテンザ/ATENZA GJ系のフロント用です。
MAZDA GJ系のアテンザ/ATENZAは、フロントの純正キャリパー固定ボルトがM14 1.25ピッチで、自分の知るところでは、他にはCX-5以外無いと思います。通常のM14のボルトは、ピッチ1.75、細目と呼ばれる特殊ピッチで1.5です。ピッチ1.25はかなり特殊なものになります。
このM14 1.25ピッチでキット設定を行うと、ローターを大径化する際に取り付けするオフセットステー用のボルトが、純正より20mmくらい長いものが必要になります。
使用されている車等が無いと言うことは、汎用品で簡単に手に入る事もありません。インターネットで探してみてください。純正ボルトは35mmですので、50mm~60mmまたはそれ以上のボルトは見つかりません。
Biotでは、このボルトを製作して、キット設定を行いました。特殊な熱処理も必要なため、数量もそれなりに必要です。
Biotは、アフターパーツメーカーとして、様々な取り組みを行っているうちの一つです。
ブレーキライン 色々!GTR
ブレーキラインと言っても、純正で付いている物ですし、必要性は?と思われる事が多いと思います。
ここで言うブレーキラインは、純正のゴムホースに対し、テフロンホースを更にステンメッシュでカバーして、ホースの膨張を無くした物です。
装着するとペダルのタッチが良くなり、感覚的には、ブレーキの効きがわかると言った感じです。大きく効きが良くなるとは違いますが、色々な要素で、ブレーキの性能を向上させてくれます。操作性、大事です。
少し部品に付いてです。 RB26のGTRに純正でbremboキャリパーが付いています。4WDでもあるため、純正のレイアウトは、ナックルの後方からナックルの上部にそってキャリパーまでスチールパイプになっています。
色々な部品を作る中で、取り付け作業が簡単にできたり、色々なサイズや取り付け方法に対応したりできる様に考案している物もあります。
もちろん、車検に通ることは絶対条件です。 スチールパイプを無くし、ボディーからキャリパーまでを一体で製作しています。ナックル上部は純正同様の固定方法で装着できます。
Porsche ポルシェ 930 ピロアッパーマウント!
▲Porsche ポルシェ 930 ピロアッパーマウント
純正は、スチールのハウジングとラバーブッシュでできています。キャンバー調整はできません。 形状が特殊で、ボディー側の湾曲した面にあった形状でできています。厳密には、取付して締め上げると、ボディーにフィットする感じです。
Biotでは、他車のストラットタイプのサスペンションと同様に、キャンバー調整式のピロアッパーマウントを設定しました。 ゼロから、ニーズに合わせて設計し、製品化しました。 製作は大変ですが、世の中には無いパーツとして、Biotのこれまでの軌跡になるものだと思います。
詳しくは、Porsche ポルシェ 930 ピロアッパーマウントご覧ください。
ピロブッシュ/ピロボールジョイント!-2
サスペンションピロブッシュ/ピロボールジョイントの発送までの管理についてです。
ピロブッシュは、1ヶ所のブッシュで、アウターカラー、サイドカラー×2、ピロボールジョイント、スナップリングで構成されています。
▲ピロブッシュ
ブッシュピロボールは、12T~25Tまでがピロブッシュ用として使用されていますので、車種やアームの形状などで使い分けられています。
ピロカラーにプレス機を使用してピロボールを圧入します。ピロボールとピロカラーの圧入部にモリブデングリスを塗布し、カジリを抑えて作業します。
組付けが終わったら、ブレーキキットと同様の組立図を参考に、各部の寸法を計測します。ピロカラーは、純正のアームに圧入しますので、圧入公差をとって設計されているため、ピロボールを圧入後のピロカラーの公差が範囲内にある事を確認します。
サイドカラーも左右に差込み、計測します。その他、穴径、カラーの長さ等を計測し、1set、左右2個で一つの箱に梱包します。ピロブッシュは、車輌への組込作業時にバラバラの状態だと、確認作業に時間が取られてしまうため、1set、左右2個で一つの箱を用意しています。
30アルファード/ヴェルファイア リアbrembo/ブレンボ!-2
▲30アルファード/ヴェルファイア リアbrembo/ブレンボ
30アルファード/ヴェルファイア リアbrembo/ブレンボキャリパーキットの製作についてです。 純正キャリパーのデーター等をとったら、パーキングブレーキの位置の検証を行います。 ローター径は何φが最小値となるか、各部の干渉をみながら、位置の候補を何か所か確認します。 ナックルを取り外し、三次元測定機で各部の細かな位置を計測し、パーキングブレーキ用のステーを設計します。
パーキングブレーキの作動を確実に行えるよう、新規にマウントシャフトを製作して固定しています。 この作業と同時に、ローターサイズの深さになる数値も決定します。 その後に設計するベルハウジング、キャリパーサポート等の寸法が決まります。
30アルファード/ヴェルファイア リアbrembo/ブレンボ!-1
▲30アルファード/ヴェルファイア リアbrembo/ブレンボ
30アルファード/ヴェルファイア リアbrembo/ブレンボキャリパーキットの製作についてです。
純正で、片押しタイプの電動パーキングブレーキが採用されている30系は、純正キャリパーを他の物に変えることができません。
また、違うパーキングブレーキの方式に変えると車検が通りません。
そこで、純正キャリパーを、パーキングブレーキ用として使用して、純正キャリパーの位置にbrembo4Potキャリパーを装着できるようにしたキャリパーキットを設定しています。
設定までの作業について数回にわたり、ご紹介します。
初めに純正を分解し、各種の寸法、作動量など細かく計測及び作動確認を行います。
純正をより多く理解することが、いい製品を作ることだと考えています。
30系のアルファード/ヴェルファイアのリアは、TOYOTAでの新しいブレーキシステムですので、前例や詳しい取扱説明書がありません。
まして、ディーラーで行わない作業へのトラブル対処などやってもらえるところもありません。
そのような中で、少ない情報を元に、純正を理解するために、分解して理解をすることが重要です。 ご購入いただく販売店やお客さんに、うちで行う開発作業と同じことをやらなくていいよう、取扱説明書を詳しく作成します。
そんな感じで始まる商品開発です。最初の純正の分解はキャリパー本体です。
バラバラにして、キャリパーの許容を調べます。純正パッドも新品を取り寄せして、トヨタの設定値も検証します。
Porsche 997 サスペンションキット!
ポルシェの997の4WD車用のサスペンションのフロントは、ドライブシャフトの進行方向後方によけて、ナックル取付部に固定されています。
サスペンション上部は、RR車と同じ位置に装着されているため、サスペンションの1G装着状態(通常に走行できる状態)で約10°の角度が付いています。
更に走行状態で、コーナーを曲がる際等の1.5~2G(車輌が傾いた状態)では、更に角度はきつくなり、一般的なピロボールタイプのアッパーマウントではピロボールの作用角を越えてしまいます。
これは、996の4WD車も同じです。
997は、カレラ4もボディーがワイド化されているため、リアにも少し角度が付いています。
Biotでは、純正状態を細かく計測し、必要に応じ純正状態を図面化してこのような製品数値を割り出しています。
サスペンションの製品化にあたり、フロント、リア共に専用のピロアッパーを設定しています。
996/997の4WD車では、ピロアッパーマウント付きの車高調整サスペンションキットは少なく、純正アッパーマウントを使用している物が大半です。
通常の方式で、ピロアッパーマウントを装着するとサスペンションのストローク時に作用角を越えてしまい、ピロボールが破損します。
最悪の場合は、シャフト先端が曲がり、折損してしまう可能性も大きい部品です。
もし、当社以外でのピロアッパーマウントを使用されている場合は、確認された方がいいと思います。