商品開発に関する記事一覧
新しい物を創る時...2
▲図面と加工ジグ
少しだけですが、新しい物を創るときの事の続き…。
図面を書いて新しい物を創ると、次は取付する時のことを考えます。
図面を書いている時にも沢山のことを考えて作業をしていますが、装着確認作業に立ち会っていると、自分たちが行う作業とは違う場所、違うお客さん達、での事もたくさん頭に浮かびます。
取付された商品が使われて、1年、2年とたった時の事も同じです。
選んでもらったお客さんや販売してもらったショップのスタッフ、作業してもらったメカニック、沢山の人達に一つでも多く喜んでもらえる様、自分達の作業は最後まで出来る事全てです。
中断して修正する事、類似部品を合わせて両方の良否を検討してみたり、自分でやりながら『こんなにこれだけをやってていいのか?』と思いながらやっていることが多々あります。
全ての『その後』に立ち会うことはできないため、これまでの経験値とお客さんからの声、後は自分の取り組む姿勢を常に物創りに向け続けている事を大事に考えています。
Biot では、作業の全てを画像や図面、企画進行書と呼ばれる内部資料(商品コード別に全て作ります)として残しています。
企画進行書には、その場で感じ取った事もそのまま文章にして残しています。
リア ツイン キャリパーキット brembo 2Pot アルファード/ヴェルファイア 30系 後期
▲リア ツイン キャリパーキット brembo 2Pot アルファード/ヴェルファイア 30系
アルファード/ヴェルファイア 30系の電動パーキングブレーキ車用の、リアbrembo 2Pot ツインキャリパーキットの開発過程です。
brembo製2Pot キャリパー、パーキングブレーキ用の純正キャリパーを加工製作した部品とともに装着し、ローターとのクリアランス、調整方法の良否を確認します。
ブレーキラインも純正装着が可能か、専用品を付属するかを確認します。
ブレーキラインは、専用品を付属させるようになりました。
パーキングブレーキ用の純正キャリパーは、パッド厚によって位置もアーム等に干渉し装着不可な場合があるため、新品状態のパッドから摩耗した状態のパッドまでを装着した場合を想定して、図面の他に画像データーと製品の企画進行書に細かく記入しておきます。
その画像データーと企画進行書を元に装着時のイラストを書き取付説明書を製作して、販売時には全商品付属させています。
4Pot Modenaキャリパーキットは既に販売していますのでご覧ください。
取付後の点検作業 bremboキャリパー
▲リア ツイン キャリパーキット brembo 2Pot
先日、商品開発車で装着した、アテンザGJ 系の装着後点検作業です。
取付ボルト、ブレーキライン等の締め付け確認と各部の漏れ点検を行いました。
ブレーキオイルのエア抜き作業を行いました。
エア抜きですのでブレーキオイル交換とは違い、キャリパー部のオイル内のエアーがたまっているかの確認程度です。
ごく少量ですが、エアーが出てくる場合があります。
キャリパー内は装着時にいくらエア抜き作業を行っても、ピストンの周りや配管の繋ぎ目などに小さな気泡が溜まりやすく、一度で全てが抜けるとは限りません。
ですので、装着後、慣らし運転を兼ねて100~200㎞程一般走行を行った後、このエア抜き作業を行うと、ごく少量のエアーが出てペダルタッチが本来の状態へと戻ります。
装着後はパッド、ローター共に新品のため、当たりがなくペダルタッチは良くありませんので、エアーについては解りにくいと思います。
レースでは、予選や決勝前にはキャリパーのオーバーホールは行わず、必ず一度はフリー走行を行える状況でオーバーホールを行っています。
何度もエア抜き作業を繰り返す事でペダルタッチは大きく改善するからです。
エア抜き作業を行った後は、水でオイルを流し、ブリードボルト(エア抜きのバルブ部)のねじ部に残ったブレーキオイルを エアーでできる限り除去しておくと、塗装の縮れ等が発生しません。
タイヤの締め付けを確認して終了です。
Biot で装着作業をされる場合は、慣らし後(1~2週間後)にご来店いただきますが、装着後点検作業を行っています。
より確実に安心してブレーキキットをご使用いただくためにです。
部品の管理-3 2次加工 Biot ドリルドローター
▲Biot ドリルドローター
ローターを内製化してからもう何年か経ちました。
素材から加工したローターは、旋盤加工、マシニングセンター穴あけ、スリット加工、研削盤で平面研磨加工を行い、在庫部品となります。
▲ブラックサフェース加工済のディスクローター
▲防錆油の塗布後、余分な防錆油を落としている状態
在庫部品は、表面を耐熱の防錆処理(ブラックサフェース加工)を行うものと、防錆油を塗布して在庫するものの2種類に分けて在庫管理を行います。
注文された製品に使用するディスクローターも、基本的にはこの在庫している物から使用します。
スタンダード仕様のスリットローターの場合は、ブラックサフェース加工の在庫品から使用しています。
ドリルド加工等のオプションメニューの場合には、防錆油を塗布した表面処理のされていないディスクローターに加工して、その後、ブラックサフェース加工を行って、製品に使用しています。
▲ドリルド加工後の色々なディスクローター
▲ブラックサフェース加工済のディスクローター
常に、汎用部品を在庫し、2種類に分けて管理することで、ドリルド加工等のオプションメニューへの対応も、短期で行うことができる様になっています。
もちろん、内製化でディスクローターを製作していますので、ゼロから製作することも簡単ではあります。
部品の管理-2 2次加工
▲2次加工を待つ部品達
色々な部品がありますが、Biotでは全てを汎用部品で管理しています。
特注部品は、この流れとは別に、特注製作品として製作しています。
お客さんからの注文で、車種、商品、色、特注仕様等にあわせて、汎用部品で管理している在庫部品を、最小限の加工等で、製品に仕上げています。
もちろんそのまま組み立てを行えば、販売できる製品あります。
ドリルド加工や、ベルハウジングベルハウジングカラー等は、標準仕様以外は全て、上記の加工(Biotでは2次加工と呼んでいます)を行っています。
ご注文時に、コンピューターで在庫検索を行い、ご希望商品が何セット販売できるかを検索して、お問い合わせに対応しています。
製品によっては、30種類以上の部品で構成されているものもあります。
全て、個別コードがつけられ、在庫管理されています。
簡単なものは、即日から翌日位で組み立て、完成品検査を経て、発送しています。
その他は、2次加工を行い、アルマイト処理等を専門の外注業者に依頼して、完了後に組み立て、完成品検査を経て、発送しています。
▲組み立てを待つ部品達
これらの部品管理は、汎用部品で構成できるような製品作りを行う中で出来上がったものです。
高額商品もかなり多くありますが、全てのアイテムを完成品で在庫し、特注にも対応していくのは不可能です。
業界で一番の、短納期と品質管理を目指し、日々作業を行っています。
リア ツイン キャリパーキット brembo 2Pot アテンザ GJ系-3
▲リア ツイン キャリパーキット brembo 2Pot アテンザ GJ系
色々確認作業が終わり、アテンザ GJ系 リア ツイン キャリパーキット が完成しました。
ゼロから考えて、一つ一つ設計して製作したキットです。
bremboキャリパーを除くと、全て自社設計、自社開発品で構成しています。
まだ、世の中には無い、凄く特殊な製品です。
ご注文いただいていたドリルド加工ドリルド加工にディスクローターを交換して装着完了です。
純正の片押しキャリパーは、パーキングブレーキ用として使用し、brembo製の2Pot キャリパーをメインで使用します。
スペーサーを併用してですが、純正19インチホイールも装着可能です。
製品には、詳しいイラストが付いた取付説明書が付属します。今、スタッフが製作しています。作業手順を追って作っていますので、読みながら作業ができます。
車両を貸していただいたお客さんにも、企画当初からすると、長くお待ちいただいたりで、凄く助かり、いい製品ができたと思います。
リア ツイン キャリパーキット brembo 2Pot アテンザ GJ系-2
▲リア ツイン キャリパーキット brembo 2Pot アテンザ GJ系
MAZDA アテンザ GJ系 後期用の電動パーキングブレーキ車用の、リアbrembo 2Pot ツインキャリパーキットの開発過程-2です。
ボルト類やパッド、キャリパー等を揃えて、発送時と同様に寸法確認を行います。
brembo製2Pot キャリパー、パーキングブレーキ用の純正キャリパーを加工製作した部品とともに装着し、ローターとのクリアランス、調整方法の良否を確認します。
ブレーキラインも純正装着が可能か、専用品を付属するかを確認します。
パーキングブレーキ用の純正キャリパーは、パッド厚によって位置もアーム等に干渉し装着不可な場合があるため、新品状態のパッドから摩耗した状態のパッドまでを装着した場合を想定して、図面の他に画像データーと製品の企画進行書に細かく記入しておきます。
その画像データーと企画進行書を元に装着時のイラストを書き取付説明書を製作して、販売時には全商品付属させています。
リア ツイン キャリパーキット brembo 2Pot アテンザ GJ系-1
▲リア ツイン キャリパーキット brembo 2Pot アテンザ GJ系
MAZDA アテンザ GJ系 後期用の電動パーキングブレーキ車用の、リアbrembo 2Pot ツインキャリパーキットの開発過程です。
これより以前に、純正データー、ハブナックル、キャリパー、アーム類等、リバースエンジニアリングですべて図面化しています。 それから、位置出しを行い、図面上で各パーツを設計して試作部品を製作しています。現状は、CADと三次元測定機を駆使して設計していますので、ほとんど試作部品は作らないのですが、リアツインキャリパーキットツインキャリパーキットは電動、ワイヤー式のいずれも部品点数が多く、組付け確認を行いながら追加加工等を行います。
付属部品(ボルト類等)の確認や、各部分の取り付けされる販売店での作業のための微調整部を作ったりもこの段階でやっています。 作業は全て画像で残し、図面も並行して追加修正を行っていきます。
それぞれ干渉、作動確認が取れたら仮組み立てを行い、取り外して、メッキ、アルマイト処理を外注業者に依頼します。
▲brembo 2Pot アテンザ GJ系用ディスクローター